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HOME >> (財)短期大学基準協会による第三者評価の結果適格認定

「第三者評価」を終えて

自己点検・評価委員会 委員長  今田 洋

はじめに

鈴峯女子短期大学が平成18年度に受けた第三者評価の結果、3月19日付で適格認定を受けました。

第三者評価とは

平成16年度から、全ての短期大学に、第三者評価が義務づけられました。多くの短期大学が、文部科学省が認定する認証評価機関「短期大学基準協会」の第三者評価を受けることになりました。評価という文化は日本にはなじみがないため、ほとんどの短期大学が右往左往している、と言っても誇張ではないでしょう。7年間で、400校近くの短期大学が評価されます。法律が変わらない限り、7年ごとに、2回目、3回目と続きます。

第三者評価の目的

大学改革、大学教育改革が第三者評価の目的です。大学改革と言えば、「教学」「管理運営」「財務」の三つの面に分類できます。大学教育改革は、「教学」の面です。学生の教育、生活指導、就職・編入学等の進路指導が含まれます。第三者評価のほぼ7割が「教学」の面に関する評価です。短期大学では、「研究」よりも「教育」が重視されているかを問われている、と思ってもいいでしょう。大学人の意識を変えるのは「石をバターに変える」ほど難しい、とも言われます。大学人が、伝統的な大学教育の慣習を捨てて、「教育優先」の意識を持つことが大前提となります。

10の評価の領域

第三者評価では、次の「10の領域」で評価され、各領域には細かい評価の項目があります。

(1)建学の精神・教育理念、教育目的・教育目標
(2)教育の内容
(3)教育の実施体制
(4)教育目標の達成度と教育の効果
(5)学生支援
(6)研究
(7)社会的活動
(8)管理運営
(9)財務
(10)改革・改善

各領域ごとに「合」か「否」がつき、二つ以上の領域で「否」がつくと、「不適格」か「保留」 という最終評価になることが予想されます。短期大学として失格ということです。短期大学教育の質の保証ができないからです。

大学設置基準

大学設置基準という法律があります。学科の専門性により、人数は異なりますが、専任教員の最低数が定められています。
また、専修学校とは違って、短期大学は教養教育を重視する観点から、教養教育を担当する専任教員の最低数も定められています。その他、校地・校舎、施設等にも細かい基準が定められています。大学設置基準に抵触すると「否」がつくのは当然です。大学設置基準は「満たしていて当然」ということになります。
各短期大学が、地域性や短期大学の歴史・文化・土壌等の特色をいかして、特別の取り組み等をしていますと、高く評価されます。学生の学習意欲を高め、教育効果を高め、学生の満足度の向上を高めるために、カリキュラムの改善、教育の工夫、授業の改善に努めていますと、高い評価が得られます。地域や社会が抱えている課題の解決への貢献等も高く評価されます。

評価の視点

第三者評価は「ランクづけ」ではありません。「監査」でもありません。
社会に恥ずかしくない短期大学士を送り出すために、教育の質を見るものです。教育の質が維持され、教育の質の向上にむけての努力がなされているか、です。「黒字だからいい大学、赤字だから悪い大学」という短絡的なものではありません。
「就職率が高いからいい大学、低いから悪い大学」ともなりません。常住、「自己点検」と「相互評価」が実施されているか、も重要な視点です。PDCAという言葉があります。Plan、Do、Check、Actの頭文字をとったものです。短期大学も、PDCAのサイクルの繰り返しです。
企業であれ、役所であれ、どんな組織にも言えることですが、短期大学にも、色々な問題・課題が発生します。課題の発見と解決能力は大学人にも要求されます。一つの問題・課題を解決しても、問題・課題は次々と発生します。
「生まれいずる悩み」と言ってもいいかも知れません。常に、問題・課題を発見し、解決にむけて努力している姿勢が窺えれば、高い評価を得ます。その背景には、「完璧な短期大学はない、問題・課題のない短期大学はない」という発想があるからです。

第三者評価はこのように行なわれる

全国の短期大学から、その規模に応じて、1〜3名の評価員が選ばれます。異なる短期大学の評価員5人で1チームをつくり、1校を評価します。私も、一昨年、チームリーダーの役をおおせつかり、東京にある短期大学を評価しました。
責任が果たせるのか、半年間は、不機嫌の毎日でした。評価チームの評価は2段階で行なわれます。まず、評価される短期大学が作成した「自己点検・評価報告書」による「書面調査」です。
6月下旬に提出します。次は、評価される学校を実地に調査する「訪問調査」です。2泊3日の日程で、9月から10月に行なわれます。その結果を、短期大学基準協会で審査し、「内示」が出されます。

評価結果の公表

第三者評価の結果は「公表」されます。「適格」「不適格」「保留」かの結果です。かりに、「不適格」か「保留」となりますと、その短期大学は気息奄々、やがて臨終です。「死の宣告」を受けたようなものです。短期大学としての教育の質が保証されないわけですから、学生が集まることは期待できません。欠陥商品と分かっていて、その商品を買う消費者がいないのと同じです。

結果が出るまで

準備に3カ年を要しました。「自己点検・評価報告書」の作成が主ですが、大変なエネルギーを消費しました。データに基づいた正確な資料による記述が求められているからです。記述を裏づける証拠が必要だからです。美辞麗句は通用しません。もし「偽装」でもあろうものなら、「大学よ、お前もか」となり、社会の信用を失います。「適格」の知らせを受けて、全教職員が「万歳をして喜んだ短期大学もある」そうです。昨年末に「内示」を受けるまでは、緊張の日々が続きましたが、「人事を尽くして天命を待つ」心境でもありました。

大学の使命

大学教育は「製造業」という捉え方もあります。次代を担う人材の養成、「人をつくる」ことが使命だからです。短期大学に対する社会の期待に応えなければいけません。直接のステーク・ホルダーである、学生と保護者に対する責任も果たさなければなりません。「適格」と認定されたことは、「見直し・改善」を続けてきた努力が認められた賜と思っております。


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